メモログ

塵が積もって山とならないメモのログ

本:マクロ金融危機入門

マクロ金融危機入門を読んだ。「マクロ金融危機」とは、危機の発生源や主な増幅要因が金融市場にありながら、それが単なる資産価格の暴落にとどまらず、生産や雇用の縮小といったマクロ経済全体に深刻な影響を与えるような危機のことを指す。本書は3部構成で1部に3章ずつある。第1部では危機がどのように醸成されるかを扱い、第2部では実際に危機が発生し、どのように広がっていくかを描く。第3部では、そうした危機にどう対処すべきかという政策の議論が展開されている。原題は「A Crash Course on Crises」で、まさに危機の入門書または短期集中講座といった内容になっている。

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本:エブリシング・バブル

エブリシング・バブル 終わりと始まり「エブリシング・バブル」リスクの深層を読んだ。「エブリシング・バブル 終わりと始まり」の方は、エブリシング・バブルはほぼ崩壊していて、現状で残った大きなバブルはAIバブルで、それが弾けた後は「地政学」が経済に大きな影響を及ぼす、という主旨。今後、地政学が経済にどのような影響を与えるかが中心テーマとなっている。

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本:量子力学は本当は量子の話ではない

量子力学は本当は量子の話ではない」を読んだ。量子論が言う「粒子でもあり波でもある」という二重性や、「猫が死んでいるとも生きているとも言える(測定した瞬間に決定する)」といった重ね合わせ、量子がもつれた物体同士が瞬時に影響を与え合うといった奇妙な現象は、量子世界をイメージするための物語がもたらしたもので、量子力学の理論そのものが持つ本質ではないらしい。微粒子の性質・状態としてイメージしようとするから奇妙に見えるだけで、量子論は「情報の取得方法とその因果的影響」を扱う理論と捉えたほうが、筋が通る、というのが本書の内容。それが量子論の見方として正しいのかどうか、そもそも本書の内容をきちんと理解できてるかどうかわからないけど、そんな気がするかもしれないししないかもしれない(二重性)といった感想を持った。

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本:長篠合戦

長篠合戦を読んだ。長篠の戦いといえば、織田信長が鉄砲を用いた三段撃ちで武田の騎馬隊を打ち破った、という鮮烈なイメージがあるが、実際には後年の脚色や、各勢力が自らを美化するための「化粧」が多分に含まれているようだ。本書では、成り行きで長篠周辺に戦場が定まった経緯を、武田家、徳川家、織田家の視点から丁寧に解説しており、とても興味深かった。

また、戦後に勝者側の物語として広まっていった長篠合戦には、酒井忠次や奥平信昌ら現場で活躍した人物の思惑も加わり、多角的なイメージが形成されている。そうした物語の背景を一つずつ解きほぐし、実像に迫っていく長篠合戦の魅力が詰まった一冊だった。

本:動物心理学入門

動物心理学入門という本を読んだ。本書によると、「動物心理学」とは「動物を対象とした研究を通して、ヒトの『ココロ』を理解しようとする学問領域」である(p.1 はじめに)。人と動物の異なる点を比較し、共通点を類推することで、ヒトの心理をより深く理解できるのだろうと感じた。

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本:武家政権成立史 - 気候変動と歴史学

武家政権成立史では、12世紀に始まった気候の冷涼化が、武家政権の成立にどのような影響を与えたかを探究している。本書では、気候冷涼化による作物の不作が、飢饉を頻発、封戸収入の減少を引き起こし、収入を確保するために荘園が発展し、それにより国司による徴税と荘園権益の衝突が強まり、武力を必要とする時代を生み出していったしている。歴史とは、人間の意図・行動が歴史を作り、動かすというイメージが強いけれど、気候変動という人間には抗いがたい要因が社会的混乱を引き起こし、歴史を形作るという視点は新鮮で説得力があった。

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本:因果推論の科学

因果推論の科学を読んだので簡単に紹介。因果推論とは、原因と結果の関係を理解し、それを推論するための方法論。従来の統計学では「XとYの相関関係」を説明できても、実際に知りたいのは「XがYにどう影響を与えているか?」という因果関係だったりする。因果推論は、その点で画期的なアプローチを示している。

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Unexpected reserved word 'interface' on jest

jestを28以降に更新したら、jestの実行時にUnexpected reserved word 'interface'みたいなエラーが返ってくるようになった。エラーの発生源はbabel-parserでinterfaceは予約語に含まれているため。typescriptで利用しているinterfaceがここでエラーになる。

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