「最近読んだ本(1)」「最近読んだ本(2)」「最近読んだ本(3)」の続き。今回の紹介する本は最近の中でもわりと最近読んだ本
- これから10年 長期投資のロードマップ 岡崎良介著:株価だけを見るのではなく、為替や金利にも注目するという全体論的な考え方や「歴史の大きな波に乗る」という大局観が、個人的な性向に合っていて読んでて心地良かったです。「儲けるのではなく、続けていくことを目的としたときに、資産運用は根本から変わる。(p191)」
- 最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと マーカス・バッキンガム著 加賀山卓朗訳:数多くのリーダー、マネージャーにインタビューした経験を通して、「リーダーシップ」「マネージャー」そして「個人の継続的な成功」について、優れたリーダー・マネージャーに共通する概念(核となる概念)を導出しています。リーダーシップの本はこれ以上のものはないんじゃない?と、多少大げさですが感じました。「それぞれの役割で見てきたように、決定的なスキルは、バランスをとることではなく、逆にアンバランスをめざすことだ。すぐれたマネージャーは、一人ひとりの部下の個性を拡大し、強調し、活用することで勝利を収める。すぐれたリーダーは、核となる顧客層、組織の強み、核となる尺度、いますぐとれる行動について結論を出し、明確さだけを念頭におき、思考と会話からほかのすべてを追い出す。(p304)」
- 第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい マルコム・グラッドウェル著 沢田博・阿部尚美訳:瞬間的に感じた結論(第1感)が、熟考に熟考を重ねた結論よりも正しい場合があるという話。第1感が常に優れている・・という話ではなく、情報を「輪切り」することの有用性を解説しています。情報を「輪切り」にするとは、情報をそぎ落とし、そこだけ見れば判断できるというような重要な部分に注目することなのかと思います。このへんざっくりと説明するのがなかなか難しい。瞬時の判断(第1感)というのは、この「情報の輪切り」がうまく言った場合に効力を発揮する。
ただし留意点として、先入観(意識的・無意識的)が情報にゆがみを与えることを挙げていて、(熟考する時間のない)瞬間的な判断は先入観にひきずられてしまうらしい。だから先入観をいかになくして、情報を洗練させるかが、第1感をうまく活用するための方法なのだそうです。
とても面白い本なのですが、内容が各論的で、各章ではまとまっているけれど、全体としてはまとまっていない。最後に全体を通貫するようなまとめがあるとさらに良かったのになあと思いました。