「最近読んだ本(1)」の続き。本を読んだときにする行動の一つが「文中に気になった箇所があったらページの端を折る」ことです。同じ本を繰り返し読むのは飽きるので、再読するときはその折り目を中心にその部分だけ読んだりします。ページに折り目がつく本ほど私にとって有益な本になります。
- 決断力 羽生善治著:羽生善治の将棋への取り組み方に関する本です。将棋をするための技術論ではなく、もっと幅の広い知見にたった話です。示唆に富んだ良書です。個人的に気に入った言葉は「全体を判断する目とは、大局観である。(p62)」「将棋で大事なのは、判断であり決断である。私は、決断するときのよりどころは自分の中にあると思っている。(p69)」「私が深く集中するときは、スキンダイビング(スカイダイビングの誤植?)で海に潜っていく感覚と似ている(p89)」「長く将棋を続けていくには、目先の勝負以外のところで何かしなければならないのだ(p97)」などなど。
- 集中力 谷川浩司:谷川浩司の半生に触れつつ、将棋の奥深さを知ることができます。「決断力」に比べるとやや将棋に特化した内容で、それをそのまま自分の生活の何か参考になるというのもではなかったですが、面白かったです。
- ウェブ進化論 梅田望夫:私が編集者だったら、第一章から第三章を第一部「WEB現代史」として、第四章から第六章を第二部「WEB社会学」とするな、という感じ(本当につけるならもっとキャッチーにする必要があるかもしれない)。前半はWEBのここ10年間で起きていることについて語り、後半はいわゆるWEB2.0、オープンソース、ブログなどが社会に与えている影響を語っています。前半部分に出てくる「ネット世界の三大法則」は、個人的にぼんやりと感じていたものがクリアになった気分でした。文章もすごく読みやすい。ただ後半は若干うさんくささも感じます。まあそれは「ウェブ進化論」の内容そのものというよりも、社会学が従来的に兼ね備えているうさんくささなのかもしれません。はい。