メモログ

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アンビエント・ファインダビリティ

ambient(周囲を取り巻く・完全に包囲している)とfindability(位置特定可能な・特定の対象物の発見のしやすさ)を二つあわせて、アンビエント・ファインダビリティ。直訳すると「周囲を取り巻く特定の対象物の発見のしやすさ」というような感じですが、私なりに解釈するとしたら「自分の取り囲む広大な情報の波から特定の情報を発見する」ようなことを表しているのかと思います。アンビエント・ファインダビリティの世界では、個人は「広大な情報から適切な素早く情報を入手する」ことが肝要で、本書では情報とは何か、情報の見つけやすさとは何かを伝え、最後に台頭しつつある情報を選りすぐる社会的な仕組み(タクソノミーとかフォークソノミーとか)などを次々と紹介しています。

ただ、情報について各論的に紹介するのみにとどめていて、実際にこれからの「アンビエント・ファインダビリティ」な世界でどのように行動すべきか、といった提言はなされていない。その点が、すこし拍子抜けというか、結末がうやむやな映画を見たような感覚を覚えました。「真の情報はどこにあるか」みたいな質問に対して回答を出すようなものなので、一意的な結論を出すのは難しいのかもなーと、思ったりもしますが。

情報とは、発信者がいて受信者がいるわけですが、インターネットにおける個人は発信者にも受信者にもなる。発信者としては「いかにして情報の波から自分の情報を際立たせるか(発見しやすくさせるか)」というのが重要な課題になる(見つけられない情報はないに等しいから)。受信者としては、玉石混合な情報からどのようにして「玉」の情報を見つけ出すか、いかがわしい情報を切り捨てることができるかが肝要となる。この二点を念頭に入れて本書を読むと、読みどころ満載で非常に楽しめました。

ということで、しばらくのブログネタとして、この半年くらいの読書の感想文を書き連ねていこうかなと考えています。順番は、机の左にあるものから順々に(規則性ゼロ)。