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本:進化するネットワーキング

半年くらい前に読んだ本。読み返しながらまとめています。「ネットワーク」について、経済学的な見地を中心に解説しています。第一章から第四章が第一部で「ネットワークの外部性」について。第一章は、クリティカル・マス、ティッピング・ポイント、QWERYの経済学など、他人が利用することによる利便性が他人を引きつけて集団を形成するという、ネットワークの特性を経済学でいう「外部性」とからめて話を展開しています。第二章は、ネットワークの外部性による「ひとり勝ち」の状況と、経済学でいう「市場の独占」とからめた内容。第三章は電話回線などの物理的なネットワークについて、他社・他国のネットワークを相互接続するときのネットワークの外部性による恩恵・コストをどのように他社間・多国間でバランスさせるかとかいう話。第四章は政策論的な性格が強く、ユニバーサル・サービス(全国どこに住んでいても、利用しやすい料金で利用できるサービス(p152))という視点から、ネットワーク産業について論じています。

第二部は「進化するネットワーク」という題目で、最近のトピックスをまとめています。第五章では、ウェブ2.0についてオライリーの論文を中心にした概説と、知識や情報とは何か、ナレッジの創造についての概説。第六章はいわゆる「インターネット」を基にしている企業(googleとか)の分析。第七章はより「スモールワールド」とか「スケールフリーネットワーク」とか、最近のネットワーク科学で注目されている概念について。第八章はいままで紹介した「ネットワーク」を土台に、政策や企業戦略として、どのようにネットワークを形成するべきかを考えてみようという話。

文体が堅く、分量も多めで、趣味で読むには楽しくないかもしれませんが、文の構成はわかりやすくなっていて、全文を読まなくても大意をつかむことができる、と読み返しながら感じました。気が向いたら読み返そうかなと思います。