メモログ

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伝説のホテルマン「おもてなし」の極意

キャピトル東急ホテル エグゼクティブコンシェルジェであった加藤健二さんの本。5部構成で、1〜3部が加藤さんの半生記、4部が加藤流サービスの各論といった感じで、5部はこぼれ話といった感じです。

人とのコミュニケーションを円滑にするためには、その人との距離感をいかに「最適な」状態にするか、ということなのかなと思いました。加藤さんは「握手」を媒体にして、「このお客様はこの距離感が好まれるのか」と判断し、最適な距離感を調整している、そんな印象を受けました。

また、加藤さんの信条の一つに「絶対にノーといわない」というのがあり、本書の随所でその信条が読み取れます。「絶対にノーといわない」というのは、比喩的で、言い換えるなら「お客様が困っているときは必ず手を差し伸べて、必ず解決する」ということなんだと思います。そうすることで、今度はこちらが困ったときに手を差し伸べてくれる。Win-Winのネットワークが生まれる。少人数(WEBサービスと比べたら)で一人当たりの料金が高い、ホテル業だからこその部分があるとは思いますが、見習う価値は十分ありそうです。

新書で200ページくらいの分量なので、1時間〜2時間程度で一読できます。長年サービス業でアルバイトをしていた身の上の私としては、興味を失わずに読むことができました。モーレツに働きすぎて入院してしまうエピソードは、なんというか昭和というモーレツな時代を感じさせる一面でした。人に歴史あり。ヒルトンからキャピトル東急への変遷とかも時代の躍動感のようなものを感じました。