メモログ

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2020年の日本人

副題は「人口減少時代をどう生きる」。人口が減少するという今までにない時代の到来という背景にして、現在の状況と今後の展開を推察しています。「日本人の働き方」「日本の住まい方」「日本人の過ごし方」の三部構成で、一部の「日本人の働き方」では、いままでの経済成長とは何を背景にしていたのかを詳述して、それがこれからの「人口減少時代」では通用しなくなることに言及しています。

二部「日本の住まい方」では、日本は都市に集中した人口構成であることを指摘しつつ、地方経済をいかに改善していくかについて多くの紙面を割いています。三部「日本人の過ごし方」では、高齢化、長寿化を背景に、年金や福利厚生をどのように再構成すべきか、ひいてはどのように財政の収支をバランスさせていくかについて論じています。

本書のタイトルが、「日本」ではなく「日本人」としたのは、「自分たちで社会を創造するのだから、主体は日本はなく、日本人である(p2)」だからだそうです。国の力ではなく、人の力を押し上げていこうという感じでしょうか。別の言い方をすれば、ハード(設備・機械)への投資ではなく、ソフト(人)への投資を促進しようとかいう感じ。「2020年の人口構造」というほぼ確定している未来を前提にしているため、話の内容は結構手堅いと言いますか、現実的なところを抑えています。