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情報の行間を読む(4/4)調査対象を知る

調査対象の意図を知る

マーケティングリサーチや、社会学の研究結果、新聞の取材など、情報の多くには情報源となる人が存在します。発信者とは別に情報源にも意思があり、意図を持っています。統計データなどでは、たとえば調査対象がどんな方法で調査を受けたのか(アンケート用紙を郵送する形か、面談方式か、インターネットでの調査か)、どんな心理状況で調査を受けたのか(見栄や欲がはいっていないか)、質問に調査対象を特定の回答に誘導させるようなないか、など調査に係るさまざまなバイアスを考慮する必要があります。

また、人の心は月日によって変化します。「心脳マーケティング」で紹介している例(「経験値を伝える技術 p282」から孫引き)によると、新しいキッチン用品を使用した消費者の60%以上が三ヶ月以内にその商品を買うだろうと答えたが、実際には八ヶ月たっても12%しか購入していなかったそうです。新聞の取材などでも、そのときは興奮して行き過ぎた意見を伝えたが、あとで冷静になって考えてみたらそんなこともなかったと思い直す調査対象もいるでしょう。

調査対象を知る上で重要なのは、こうした人間に起因したバイアスを考慮することだと思います。調査による客観的な分析してみたところで、その基となる情報源にバイアスがあればあまり役には立ちません。