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「マインド・コントロール」と「影響力の正体」を読んだ

マインド・コントロール影響力の正体という本を読んだ。マインドコントロールとは、Wikipediaには「他人の思想や情報をコントロールし、個人が意思決定する際に、特定の結論へと誘導する技術を指す概念」と書いてある。「マインド・コントロール」の方は題名そのまんまマインドコントロールに扱った本であるけど、「影響力の正体」の方も「相手をYESという結論に導く技術」という意味でマインドコントロールを扱った本と言える。どちらの本も内容も人間の根本的な性質を利用したものでかなりやっかいな技術だなと思った。

例えば、人間の社会的動物である側面(絆・友愛・愛情)を活用して相手を籠絡したり、情報を極端に少なく状況(五感からの情報をすべてなくすとか、外界から謝絶した建物にひきもらせるとか)や逆に情報が極端に多い(1日中音声を聞かせたり)状況に置くことで、脳の基本的な処理を異常終了させ「自分で考えられない」状態に陥れるとか、以前に言ったこととの整合性に訴えるとか、希少性を持たせて衝動買いを促すなど、人間の普段の活動を効率的に処理するための認知を利用したりする。

人間の生活は常に他人からのマインドコントロールの影響力にさらされている。意図的かそうでないか、重大な脅威の場合もあれば、些細なアドバイスもあるにせよ、そうしたマインドコントロールの影響をできるだけ受けないよう生活するにはどうしたらいいのだろう。自分の状況を客観的に判断して相手の影響力の根源を理解すること、他者に極端に依存しないこと、他人とゆるくつながり続けること(孤立は特定の人への依存を強める)、情報を多く拾いすぎないこと、自分で考える「心」と「体」を保つこと・多くのことで消耗しすぎないこと、とかなのかなあと思う。それでも悪意のある他者が意図を持って(戦争捕虜が受けたような)非人道的なマインドコントロールをしてきたら、そのコントロールから逃れるのはかなり厳しいと思うけど。その場合は捕まる前に逃げるしかない。

一方で、マインドコントロールをポジティブな方向に活用すれば、それはたぶん自己啓発とか、パフォーマンスの向上など良い影響を与えることができる。悪意のあるマインドコントロールの影響を避けるといった側面以外からも、人間の基本的な心理や認知、脳内の処理がどのように働くのかを知るのは大事だなと思った。