メモログ

塵が積もって山とならないメモのログ

トム・ピーターズのデザイン魂を読みました

前回のエントリーで「手持ちの良書を復読する」と言いながら、以前から気になっていたこの本を新しく買って読んでしまいました。しかし熟読したわけではなく、2時間半くらいでざっくりと読んでいます。

本書の中で気に入った言葉がいくつかあります。ひとつはP64の「私の見る限り、企業はあまりにも、単純さ、明快さ、優雅さ、美しさに欠けている」という言葉。モノのみならずシステムにもデザインが必要だという話で、美しいシステムとは「単純さ」「明快さ」「優雅さ」「美しさ」を備えているものなのだそう。ここでのシステムとは、プログラムや経営システムなど概念的に広範囲なものをさしていて、デザインとは外見の美しさのみならず、ユーザービリティや感動創造(ユーザーエクスペリエンスの創出)などをさしています。また、デザインとは個人またはビジネスでのアイデンティティを形成する(自分が何者であるかを伝える)とも述べています。

とにかく。「単純さ」「明快さ」「優雅さ」「美しさ」。これが非常に分かりやすくて強烈に心に残りました。座右の銘にしたい。

あともうひとつ。P79の「ギネスのは、ビールを売っているわけではない。スターバックスは、コーヒーを売っているわけではない」という言葉(これに惹かれて本を買った)。スターバックスは「第三の場所(または第二のオフィス、スモールオフィス、読書スペース。つまりスターバックスのある生活)」を提供していて、ギネスは「コミュニティ(人々が集まり、さまざまなストーリーを語り合う、そんなきっかけをつくること)」を提供している。ハーレーダビットソンは「ライフスタイル(黒いレザーのライダースーツに身を包み、小さな町々を走り抜け、周りの人たちに恐怖感を与える、そんな力)」を提供しているのだという。つまり、目に見えない価値、「経験(experience)」を提供している。

ブログサービスもかくあるべきだと思います。ブログツールを提供するのではなく「ブログのある生活・経験」を提供する。日常の行いを記録する・・それだけではブログは続かないわけで(まず書くネタがなくなる)、「ブログを始めたら、生活(ライフスタイル)が変わった!」と思わせるような経験を提供する必要があると思うわけです。geekな人たちだけではなく、すべての人にそういった経験を提供できる力がブログにはあると私は強く思います。たとえば、履歴書では分からない個性・キャリアを表現する場とか、なんかそういうの。

ちなみにわたしは「メモログ採用」らしい。本当かどうかは神のみぞ知る・・