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「レイアウトの法則」を読みました。

佐々木正人著「レイアウトの法則 - アートとアフォーダンス」を読みました。本文中に何度も引用されるジェームス・ギブソンの理論は抽象的で高度な箇所もあって、理解できないところも多々ありましたが、それでもなんとなくぼやーっと概観だけはつかめたように思います。

この本は「レイアウトの法則」というタイトルと「アートとアフォーダンス」という副題に惹かれて購読してみたのですが、私のイメージしているレイアウトとは全然違いました。私のイメージしているところのレイアウトは例えばブログの枠組みとか、そんなレベルであったりするのですが、ここでのレイアウトとはもっと広範囲な森羅万象のレイアウトでした。レイアウトを理解する上で「肌理(きめ:テクスチャー)」や「固さ」などの重要性を説かれています。はい。「差異」の概念にも触れています。

本の中盤からは美術研究者やカメラマン、建築家との対談が掲載されています。個人的には建築家との対談が一番興味を惹かれました。環境ユニット(都市環境における建築、土木、構築物といった環境の混合の中にあるまとまり)という考え方には感銘をうけました。まだ深く理解はしていませんが、建築の神髄というものが、周りの環境との調和と言いますか、環境の特性、いわゆるアフォーダンスを知ることにある、そんな感想を持ちました。

アフォーダンスとは「ものあるいは環境の物理的特徴がその機能に影響を与えるという属性。(「デザイン、新・100の法則」より引用)」であるそうです。たとえば丸いタイヤは四角いタイヤよりも転がるためのアフォーダンスを持っている。この時点で分かりにくい概念なのですが、「レイアウトの法則」では、アフォーダンスとはそうした単体の機能だけでは終わらないと述べています。

物のアフォーダンスとは、その物が他の物との配置に埋め込まれたときに現れてくる性質なのです。アフォーダンスの心理学は、行為で周囲を描くことを目指しています。だから行為がデザインする、あるいは行為をデザインする周囲に敏感な心理学です。

これだけ抜粋してもあまり良く分からないと思いますが(おい)、要するにもっとドアノブがドアノブの形をしていることもアフォーダンスなのですが、実はアフォーダンスとはその周り、周囲の環境をすべてひっくるめて知覚されるものだということらしい。

こうして感想を羅列させるだけで、この本の中身の濃さが良く分かります。はい。また時間を作って復読していきたいと思います。日々是勉強です。