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Dear フランキーを見てきました

評価:★★★★★
僕的には「みんな誰かの愛しい人」以来の感動作でした。DV(家庭内暴力)によって難聴になった息子のフランキーと一緒に父親から逃げ続ける母親のリジーは、何度も引っ越しを繰り返した末に、スコットランドの小さな町に引っ越してきます。リジーはまだ小さくて記憶のない息子には父親は船で航海をしていると説明していました。ある日、架空の父親が乗っている船がスコットランドに帰航することになり、母親は息子のために「1日だけの父親」を探す必要に迫られ、見知らぬ男(ストレンジャー)を雇うことになる。

物語は母親の息子を愛するゆえのごまかしや嘘が起点となって進んでいきます。母親はその後ろめたさに悩み続けながら、息子を守るためにごまかすことを続けていく・・ 嘘をつくことは一般的に良くないことだと思いますが、正直さよりも大事なことがあると思わせる映画です。この点において「やさしい嘘」と同じものを感じました。

配役もかなりいい感じです。架空の父親を演じたジェラルド・バトラーは頑強そうな身体がストレンジャーという粗野な印象を与える一方で、内から滲み出てくるような優しさが理想的な父親を演出しています。息子役のジャック・マケルホーンはとにかく目がきれい。難聴をものともしない凛とした立ち姿が感動を呼びます。母親役のエミリー・モーティマーは優しそうで脆そうな印象だけど、母親として息子を守ろうとする姿が美しいです。

あと、オープニングで流れる音楽がいい感じです。Clarkesvilleというイギリスのシンガーソングライターらしいのですが、メロディアスな曲調がオープニングの新しい町に引っ越すことの不安感、どきどき感をかき立てます。サウンドトラック買ってしまいました。

東京にお住まいの方は、8/26(金)までBunkamuraル・シネマで公開しているので是非見てみてください。