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「ブロックチェーン技術入門」を読んだ

ブロックチェーン技術入門という本を読んだ。ビットコイン・ブロックチェーン関連の書籍は最近多く出版されているが、ブロックチェーン技術そのものにフォーカスした本は珍しい。160ページという文量で簡潔に「ブロックチェーン技術とは何か」を知ることができる良書である。

ブロックチェーンの特徴は「データが正当なものかどうかをネットワーク参加者の誰でも検証できる」というところ。改ざんされたトランザクションが送られてきても棄却できるし、ブロックの改ざんも第三者の検証をクリアするのがとても難しく不可能。それがブロックチェーンに登録されたデータの真正性を保証している。データの真正性が保証されると、不動産の登記のような「だれが資産を所有しているか」を保証するシステムや、トレーサビリティの確保するシステムなどにも応用できる。

本書では、現状で知られている課題が紹介されており、たとえば51%攻撃と呼ばれる攻撃の存在や、量子コンピュータの登場によって取引のアドレスに使われている電子署名が改ざん可能になるかもしれないとか、Proof of Workの実施に使われる電力が半端ないとか(Proof of StatePBFTなどPoWと異なるコンセンサスアルゴリズムも紹介されている)。ブロックチェーンとは何かというところから、技術的な背景やこういった課題などを一望することができる。

ブロックチェーンとはつまり「データの真正性が確保された新しい通信方法」ということなのだ。本人確認や資産の所有権など、オフラインで手続き管理されていたものがオンラインで効率よく管理できるようになるかもしれない。契約書や加工食品の材料データ、研究やテストの検査データなど真正性やトレーサビリティが保証されればより信頼性は高くなるだろう。こうしたブロックチェーンの特性に多くの人が関心を払うようになれば、データのやりとりはブロックチェーンで行うというのがスタンダードになる未来も十分ありえそうだなと思った。