ホワイトカラーの転職を題材にした体験ルポ。序盤から中盤までは転職のカウンセリングとか、転職指導などの体験ルポが中心で、中盤から終盤にかけて「ネットワーキング」をするための活動が中心です。300ページくらいあるので、分量的にはまあまあありますが、情景描写とか著者の感情描写などが多いので、そのあたりをざっと読んでいくと2〜3日で読みこなせる感じです。
「ネットワーキング」とは、転職のクチを紹介してくれそうな人とつながりを持つことで、いわゆる「コネ」をつくるための活動のことです。インターネットで履歴書を提出してもほとんど無視されるというのが現状で、良い仕事をみつけるためには、とにかく「ネットワーキング」をすることが肝要。しかし、優良な仕事を紹介してくれそうな人とのネットワーキングの機会は乏しく、なかなか見つからない。でも渡航費や宿泊費、カウンセリング費などで転職活動のための資金は減る一方。そのうち「生きるための仕事」(生活費を稼ぐための仕事)と割り切って、低収入の臨時仕事を始めてしまうと、転職活動に必要な時間がなくなってしまい、ますます転職から遠のいていく・・
「今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生 」という本も前に読んだことがありますが、30歳後半くらいからの転職は本当にきついんだなと感じます。わたしは、今の仕事も前の仕事も、いろいろな奇特な人の粋なはからいによって、なんとか職をいただいてこれましたけど、次はこうはいかないかもしれない。ほんと、身を引き締めて頑張りたいなと思いました。
もっとも、この本の怖いところは「頑張っていたけど、職を失った」人の存在を示しているところなのですが・・ まあとにかく、がんばります。