2008年1月アーカイブ

2008年1月28日

本:もっとわがままになれ!

「わがまま」とは、yahoo辞書で調べると、「自分の思いどおりに振る舞うこと。また、そのさま。気まま。ほしいまま。自分勝手。「―を通す」「―な人」」という意味ですが、本書における「わがまま」とは、どちらかというと「日和見主義にならずに、自分が正しいと思うことや、やりたいと思うこと実践するために、アクションを起こすこと」という感じの意味。おかしな常識を疑うことや、創意工夫を奨励するための言葉としても、本書では「わがまま」という言葉を使って表現しています。

本書は6章構成。第一章が「わがまま」とは何か、という感じの話。第二章は「わがまま」の意味をはき違えないように、という感じの話。第三章は個人のキャリア・プランと「わがまま」について。第四章は会社経営と「わがまま」について。第五章は一般社会と「わがまま」について。第六章は、その他の「わがまま」に関するエピソードと言った感じ。150ページほどで1ページあたりの文字数が少ないので、1時間程度で読めます。

個人的に関心がそそられたのはp19の「わがままの裏には、やはりわがままの「正当な理由」があるべきだ」という格言。その背景のエピソードは、大蔵省の道理のあわない非効率的な慣例に疑問をもって、わがままをもって、道理に沿った前例のないことをやってのけるというような話。「西南戦争」の中で、福沢諭吉が西郷隆盛の「抵抗する精神」を讃えたという話(p201)が紹介されていますが、その話に通じるものを感じました。国家の行いであろうと、疑問のあるなら、臆さずに抵抗する(わがままをいう)。それが社会を変えていく源になっていく。これは「胆力」にも通じるところがあるように思います。

2008年1月26日

MT4.0 から MT 4.1 にアップグレード

MTを4.0から4.1にアップグレードしました。アップグレードはドキュメントを見ながら、手順通り行いました。アプリケーションディレクトリ全体の上書きはしないで、新しいバージョンのMTに、古いMTのmt-config.cgiとpluginディレクトリを上書き。

アップロードしたCGIのパーミッションを755にし忘れるという初歩的なところでつまづきましたが、無事完了(したと思う)。わーい。

2008年1月23日

本:効率が10倍アップする新・知的生産術--自分をグーグル化する方法

生産性を上げるための方法を著者の経験をもとにまとめた本。「自分をグーグル化する」という意味は、情報を武器に生産性を上げるといった感じです。全体が280ページほどですが、ざっと3時間ほどで読みました。要点箇所は太字になっているので、流し読みはしやすいです。どうも売れに売れているようで、わたしの持っている本は第七刷でした。発売一ヶ月で七刷まで出てるのはけっこうすごいと思います、たぶん。

本書は6章構成で、情報の活用がいかに重要かという話から、IT系ライフハック、情報を見極める技術、インプットとアウトプットについて、そして生活管理といったような流れで話がまとめられています。所感としては、ライフハックに始まり、ライフハックに終わるという感じの内容。幼少のころからIT機器に関心があったようで、おそらく、そもそもIT機器とか生活を便利にする機械を利用するのが好きな人なのではないのかなと憶測しています。とにかく徹底した使いっぷり。

「誰でも再現できるということをめざして(p3)」書かれているだけあって、思い立てば誰でもできそうな内容でした。とはいえ、それを実践するかしないかは、その人それぞれの仕事や生活にうまくフィットするものだけを取り入れれば良いのかなあと思います。個人的にはp70あたりの「フレームワーク力」というのに共感を覚えました。

2008年1月19日

映画:サラエボの花

母娘の愛というのが映画のテーマですが、その背景にある事情はかなり複雑です。その複雑さを乗り越えて、絆を強めていく母娘の姿にとても感動しました。ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランンプリ)を受賞。

サラエボはボスニア・ヘルツェゴビナの首都で、ボスニア・ヘルツェゴビナは解体したユーゴスラビア連邦の構成共和国の一つでした。国にはボシュニャク人(ムスリム人:43%)とセルビア人(31%)、クロアチア人(17%)が共存しています。1991年にユーゴスラビアからの独立を目指し、主権国家宣言を出しましたが、少数派となるセルビア人(ユーゴスラビアの中で政治的に発言力を持つ)、クロアチア人が独立に反対。1992年3月にセルビア人のボイコットの中、住民投票によって独立を宣言しました。しかし1992年4月に民族間の紛争が激化、内戦状態になりました。紛争は1995年のディトン合意まで続き、現在は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦(ムスリム・クロアチア連邦)とスルプスカ共和国(セルビア人共和国)の連合国家となっています。

映画のキーポイントとなるのは「民族浄化」という行為。この紛争では女性への暴力行為にとどまらず、「敵の民族の女性に、自分たちの子供を産ませる」という行為が「民族浄化」という言葉の下、行われていました。男性や子供は殺され、女性は収容所に連行され、連日多くの兵士に乱暴される。そして妊娠すると強制的に出産させられる。グルバヴィッツァ地区(映画の原題でもある)は、紛争の最前線の場所で、民族浄化の名の下に多くの女性が傷つけられたのだとか。

そこでふと思うのは、いまの日本は本当に平和で自由だなということ。ありきたりなのですが、自分と他国の情勢を並べて考えたときに、まず頭に浮かんでしまう。もちろん、怖いニュースはたくさんあるし、不安は尽きないのですが、それでもボスニア・ヘルツェゴビナのような国と比べると、圧倒的に平和だし、自由を享受している(失業率は40%らしい)。

だから不満足さに耐え、禁欲的に自重して生きるべき、というつもりはないのですが、自由の結果として得たものを、世の中に還元していけるような人間になりたいなと思う次第でございます。

参考資料:wikipedia、「地図で読む世界情勢」草思社、「ボスニアの花」プログラム
*劇中の会話にでてくる「チュトニク」とは、セルビア人の不正規兵のことらしい。

2008年1月14日

本:外国語上達法

1986年刊行。名前の通り、外国語の勉強方法について書かれている本です。英語だけではなく、外国語全般についての勉強法として述べられているところが、ほかの英語学習関連の本と趣きが異なります。200ページほどを、半日くらいでざっと読んでいます(ほんとにざっと)。

本書では、外国語を習得する上で、覚えなければならないものは「語彙」と「文法」で、それを習得するために大事なのは「教科書」「先生」「辞書」としています。そのうえで、どんな教科書がよいか、良い先生とはどんな先生か、よい辞書とはなにか、というのが本書の中心的なテーマです。なので、具体的な方法論というよりは、より基本的な勉強法についてが中心。

個人的に感銘を受けたのは、自分が何のために英語を習得するのかを考え、どこまでできていれば十分かを考えて目標を立てようというところです。たとえば、スチュワーデスであれば、自分たちの業務に関わる内容について英語を習得していればよく、全方位的に英語に通じている必要はないとか。広く深く習得しようとすれば、そのための期間も長く必要。だから習得したいレベルを決めて、必要以上の努力はしない。当たり前と言えば当たり前なのですが、勉強しているとつい欲が出てしまう。だからたぶん始めにこうしたことを考えて計画するのが肝要なのだろうなあと思いました。

2008年1月12日

本:「達人」の英語学習法

内容はそのまんま、英語の学習法についての話です。第一章と第二章は「英語は子供のうちにやらないとうまくならない」とか、特異な学習法など、よくある誤解について解説しています。第三章から第五章までが、英語の達人(英語圏でなく、12歳ごろ以降に英語学習を始め、主として日本で学習し、留学していても短期。(p59-60))の学習計画、学習法を紹介しています。英語教育の研究者の方が書いている本だけあって、論文やインタビューなどをもとに確度の高い情報を提供してくれています。個人的に第一章と第二章は関心がなかったので、かるく読み飛ばして、第三章から第五章を中心に、1時間くらいでさらりと読みました。文の構成がわかりやすく、文体も平易な感じなので読みやすいです。

個人的に共感を覚えたのが、「学習の成果は直線的に現れない(p73) 」というところと、第五章「社会のなかでの学習法」の最初の下り。前者は、日々少しずつ上達するのではなく、毎日続けていると、あるときグンッと上達するのを実感するという話。後者は、学習者のおかれている社会的・文化的環境が異なること、学習方法の汎用化の限界についてです。個人的に思ったのは、学習というのは、自分の環境をうまく利用したり、楽しさも含ませながら、とにかく継続させるのが肝要なのかなということ。そして、すぐに成果が現れなくてもあきらめないでそれでも継続する、ということなのかなと思いました。その一方で、「ダメなら、さっさとやめなさい!」みたいな考え方も重要なのでしょう。はい。

本:ライフサイクルイノベーション

キャズムの著者、ジェフリー・ムーアの本。三部構成で、一部が製品ライフサイクルモデルの全体の説明、二部がイノベーションのタイプの説明と、ライフサイクルの地点に応じたイノベーションの方法についての詳説、三部は「慣性力」についてと、「コア」へ資源を集中させるための方法論についてです。

本書では、製品ライフサイクルとそれに応じたイノベーションとは何かから始まり、イノベーションを起こすべき「コア」な製品とは何か、コアではない「コンテキスト」な製品(サービス)とは何か、そしてイノベーション(変化)を実行することに対する社内外の抵抗(慣性力)に対して、どのように対処するかというところまで論じています。前著である「キャズム」や「トルネード経営」など概念を包括しており、一貫性のある、広く深い内容となっています。

第八章の「イノベーション選択のプロセス」では、自分たちが「カテゴリー成熟化ライフサイクル」のどこに位置しているのか、どのイノベーションを選択すべきかを考えるためのフレームワークを提供しています。ただ、ライフサイクルのどこに位置しているのかを分析するための判断基準みたいなものについては、深く論じられていません。たとえば、業績が落ちてきたときに直感的に「自分たちはいまキャズムいるんだ」と言うことは簡単だけれども、本当にキャズムにいるのかはわからない。おそらく、ここが一番難しいところで、自分たちの製品がいまライフサイクルのどこにいるのかを判断するには、市場に関する客観的な判断と決断力が要されるのだろうなと思います。言うは易し。

個人的に関心がそそられたのは、第九章の「コンテキストから資源を抜き出す」と第十章の「コアに向けた資源の再配分」という話。業務を「コア」と「コンテキスト」か、「ミッションクリティカル(問題があるとやばい)」かそうでないかという二軸にわけて、どのようにして資源をコアに再配分するかを論じています。いわゆるリソースのライフサイクルと言っても良いかもしれません。これは個人の業務においても考える価値のある話だなと思いました。実際に私の仕事は「コア」に位置する仕事よりも、過去の遺産で重要ではないけど、問題があると対外的に困るところ、ミッションクリティカル・コンテキストに位置する業務が、その重要性を保ったまま残ってしまっています。これらの業務から自分を開放して、コアの業務に集中していくことが、個人の仕事の仕方として、重要なのかなと思います。

本書では「ミッション・クリティカル・コンテキストから経営資源を抽出する(p286)」方法として、集中化、標準化、モジュール化、最適化、アウトソーシングという、5つのステップを紹介しています。業務の効率化(オーバーヘッドを少なくする)と定型化と、問題が起きたときのリスクを減らすというアプローチによって、リソースを開放する、このあたり、前回の記事のロバストネスに通じるところがあるなと思いました。日々これ精進なのです。

2008年1月10日

本:したたかな生命

生命の持つロバストネス(強靭さ)について、システム生物学(システムバイオロジー)という視点で解説した本。本書は4章構成で、1章がロバストネスについて、2章はロバストネスの表裏一体(トレードオフ)の関係であるフラジリティ(脆弱性)について、3章はガンの仕組みとそのロバストネス、4章は進化とロバストネスについて。ページ数は200ページほどありますが1ページあたりの文字数が少ないので、1〜3日で読める分量です。装丁もきれいで、読みやすい。

ロバストネスとは、本書では「システムが、いろいろな擾乱(じょうらん)に対してその機能を維持する能力(p37)」と定義しています。たとえば、何らかの異常が発生したときでも、機能停止に陥ることなく、処理できるようにシステムが構築されている場合、その異常に対するロバストネスを持っていると言えます。飛行機は制御システムの故障にロバストネスを持つために、同じ処理を行うシステムを3つ搭載しているそうです。仮にシステムのうち一つが故障しても、他の二つによって安全に航行することができるわけです(実際には、三重のシステムを三重に備えている)。

ある問題に対して、どのようにロバストネスを向上させるかについては、四つのアプローチが紹介されています。一つはシステムの制御で、与えられた観測情報を元に軌道修正するというもの。一つは冗長性と多様性で、どこかで問題がおきても他の機構がフォローできるようにするというもの。一つはモジュール化で、問題が発生した場合に、問題が広域に広がらないような仕組みにするというもの。最後の一つがデカップリングというもので、状態の「ゆらぎ(変性)」を吸収して元の状態を保つようにするというものです。この四つのアプローチは、問題の解決や、改善に向けた行動計画などを考えるときに役立ちそうです。

ただ、ロバストネスを向上することによって、別のところにフラジリティ(脆弱性)がでてしまう場合があることを考えなければいけません(これが第二章の内容)。たとえば人間の健康で言えば、低血糖状態というリスクの高い状態を回避するためのシステムが、糖尿病を引き起こす要因となったりする。たとえば、コンピューターによる制御は正確で迅速な対応が可能となる反面、停電に弱いとか。ロバストネスにはその代償がフラジリティというかたちで、どこかに存在する。すべてに対してロバストネスを保つことはできないから、どこにロバストネスを持たせるのか、なにをもっとも重要とすべきかを考えるのが肝要。このあたりに、きっとシステム構築の妙というのがあるのだろうなあと思いました。

会社組織で言い換えれば、一人ひとりが何らかの機能を持っていて、お互いに連携しながら、組織全体のロバストネスを向上していると言えるかもしれません。ロバストネスの考え方は、いろいろなシステム(組織)に幅広く応用がききそうです。

2008年1月 7日

映画:アイ・アム・レジェンド

同名のSF小説「アイ・アム・レジェンド」の映画版。アメリカ映画として映像化されたのは「地球最後の男」と「地球最後の男 オメガマン」に続いて三回目なのだそう。簡単なあらすじだけで予備知識なく見に行ったため、内容的には「あっ、こういう映画だったんだ」と思いました。ドキドキしたくない人にはお勧めしません。

この映画、「地球最後の男」と銘打っているだけあって、映像中に人影がないのがすごいところ。これが本当にすごくて、四方八方が見渡せるシーンでも、人影一つない。ゴーストタウンを表現したかったからこの映画つくったのではないかと思えるほど、圧巻の映像です。パンフレットによると、200日の長期にわたる区間封鎖撮影をおこなったらしい(パンフレット 開いて8ページ目)。

話がテンポよく進むのと、話の伏線がわかりやすいので、わりと安心して映画を楽しめます。映像と音が迫力満点なので、内容的には安心して楽しめないかもしれませんが。

しかしパンフレットの内容には個人的に不満。鑑賞中によくわからなかったところとかを確認したいために、パンフレットを購入するのですが、肝心のストーリーに関する情報が薄かった。評論家の話とかも映画の副情報として良いんですけど。600円という価格も安くていいんですけど、腑に落ちない。

2008年1月 6日

映画:バベル

バベル(BABEL)をDVDで見ました。周囲の人の前評判はかなり悪かったのですが、個人的にはそんなに悪くなかったです。時間軸が並行して話が展開する映画が、個人的な趣向に合っているためかもしれません。同じ理由でペイチェックハリー・ポッターとアズカバンの囚人とかもわりと好み。

菊地凛子が演じるろうあの少女は、世の中に自分のことを受け入れてくれる人はいないのではないか、という不安や寂しさを表現していて、個人的には良かった。劇中に音のないシーンがあって、それが耳が聞こえない世界とはどんなものかを疑似体験するのに役立ちました。ただ、表現の切り口が、東京の性の乱れのようなものを想起させる。そこがちょっと極端すぎるような気も、東京に住む私は感じました。しかし迫真の演技です。

バベルの特徴は三地点で物語が進むというところかと思いますが、ある程度の関連性はあるものの、内容的には短編映画を同時進行で見ている感じ。それぞれに考えさせる内容ではありますけど、全体として一気貫通するテーマがあるのかないのかわかりませんでした。

2008年1月 4日

本:知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎

いまの県境(けんざかい)がどのような形でできあがったのか、という話をまとまた本。5部構成で、1部が現在の47都道県に落ち着くまでの成り立ち。2部は県境にまつわる逸話など、3部は「飛び地」や「越県合併」などを中心にした話、4部は県境をめぐる争い、5部は「県境未定地」と呼ばれる、県境があやふやなところについての話。最後のほうはかるく読み流しています。県境の多くは、明治よりも前に定められた国の形を踏襲しているようで、話の中心は県境そのものというよりは、県の成り立ちと言った感じです。県境についての小話を交えながら、いまの県のかたちとなった経緯を知ることができます。

個人的に興味がそそられたのは、東京都が長細いのは、玉川上水の安定供給のために、水源地と水路の一元管理をしたかったためというところ(p82あたり)。水源地のほかには、明治維新後の情勢不安のためとか、文化的なつながりが強いためとか、行政上の利便性とか、いろいろな意図をもって県のかたちを変えています。あたりまえのように感じている県の形ですが、なんらかの意図があって、いまのかたちになっているんだなあと思いました。

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